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政治ドットコム経済労働年収の壁とは?106万円・130万円の壁の支援強化パッケージを簡単解説

年収の壁とは?106万円・130万円の壁の支援強化パッケージを簡単解説

投稿日2024.4.3
最終更新日2024.04.03

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保険料を払う必要のない被扶養者がパートやアルバイトで働き、ある一定のお金を稼ぐと、社会保険料を支払う義務が生じ、結果として給料が減ってしまいます。この給料が減るか減らないかのボーダーラインを「年収の壁」と呼びます。

現在、企業の人手不足もあり、この「年収の壁」をどう解決するかが課題となっていました。そして2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」が始まりました。

今回の記事では以下についてわかりやすく解説します。

  • 年収の壁とは?
  • 年収の壁の種類
  • 「106万円の壁」の対策
  • 「130万円の壁」の対策
  • 年収の壁・支援強化パッケージはいつまで?注意点も

1. 年収の壁とは?

現在の社会保険制度では、会社員の家族などで収入がない被扶養者(第3号被保険者)は、家族の保護の対象になり保険料を支払う義務がありません。しかし、被扶養者がアルバイトやパートなどで働いて一定のお金を稼ぐと、社会保険料を支払う必要が生じ、手取りの所得が減ってしまいます。

そのため収入が減らないよう被扶養者は一定の金額までしか給料を得ないように対策します。この収入基準を「年収の壁」と呼んでいます。

2. 年収の壁の種類

年収の壁の種類

年収の壁には、以下の2パターンが存在します。

(1)106万円の壁

以下の場合、厚生年金保険・健康保険に加入する必要があります。

  • 年収が106万円を超える
  • 従業員101人以上の企業などに週20時間以上勤務している ※2024年10月以降は、51人以上の企業に変更

(2)130万円の壁

以下の場合、国民年金・国民健康保険に加入する必要があります。

  • 年収が130万円を超える
  • 従業員100人以下の企業などに勤務している

3. 「106万円の壁」の対策

106万円の壁対策は、キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」です。この制度は事業主向けに作られた対策で、2023年10月20日から開始しています。年収106万円を超えて働き、社会保険適用となった労働者に手当を出した事業主を助成します。

「社会保険適用時処遇改善コース」には、以下の3つの助成メニューがあります。

(1)手当等支給メニュー
(2)労働時間延長メニュー
(3)併用メニュー

事業主は、以下のチャートに沿ってどのメニューが使えるのか確認が必要です。そして労働者は勤務先にこの制度があるのか確認が必要です。

「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?

引用:政府広報オンライン「「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?

(1)手当等支給メニュー

年収が106万円を超えて社会保険に加入した労働者に対して、収入を増やす取組を講じた事業主に助成金を支給します。

手当等支給メニュー

引用:厚生労働省「キャリアアップ助成金社会保険適用時処遇改善コース

【支給額】
(労働者1人当たり)3年間で50万円 ※大企業は37.5万円

(2)労働時間延長メニュー

労働時間を延長し、パートやアルバイトで働く従業員を新たに社会保険の被保険者とした事業主に助成金を支給します。

労働時間延長メニュー

引用:厚生労働省「キャリアアップ助成金社会保険適用時処遇改善コース

【支給額】
(労働者1人当たり)6か月で30万円 ※大企業は22.5万円

(3)併用メニュー

(1)と(2)の併用も可能で、支給額は以下の通りです。

併用メニュー

引用:厚生労働省「キャリアアップ助成金社会保険適用時処遇改善コース

【支給額】1年目に賃金の15%以上分を従業員に追加支給した場合
(労働者1人当たり)1年目で20万円 ※大企業は15万円

【支給額】2年目に週所定労働時間を4時間延長させる、または週所定労働時間の延長と賃金の増額を組み合わせる措置を行った場合
(労働者1人当たり)2年目で30万円 ※大企業は22.5万円

4. 「130万円の壁」の対策

130万円の壁対策には、事業主による証明書が挙げられます。収入が一時的に増えたことを記す証明書を健保組合に提出することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となります。

例えば、繁忙期に労働時間を延ばし収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、扶養から外れずにいることができます。

「130万円の壁」の対策

引用:政府広報オンライン「「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?

5. 年収の壁・支援強化パッケージはいつまで?注意点も

年収の壁・支援強化パッケージはいつまで?注意点も

ここでは、 年収の壁・支援強化パッケージの注意点について解説します。

(1)年収の壁・支援強化パッケージの適応期間

年収の壁・支援強化パッケージは、2025年末までと発表されています。

(2)助成金は労働者に直接支払われることはない

助成金は事業主に対して支給するものです。労働者に支給されるものではないため、勤め先に確認が必要です。

(3)支払のタイミングは様々

社会保険料の支払と同時に社会保険適用促進手当の支給がされるわけではありません。

社会保険料の支払開始の1〜2ヶ月後から手当の支給が開始される場合や、社会保険料の数ヶ月分をまとめて手当として支給される場合もあります。

引用:厚生労働省「「年収の壁・支援強化パッケージ」に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)

PoliPoliで公開されているお金関連の取り組み

誰でも政策に意見を届けることができる、政治プラットフォームサービス「PoliPoli」では、老後・年金に対する不安をツールで解消したい政策について、以下のように公開されています。

あなたの願いや意見が政策に反映されるかもしれないので、ぜひ下記のリンクからコメントしてみてください。

PoliPoli|老後・年金に対する不安をツールで解消したい!

(1)老後・年金に対する不安をツールで解消する政策の政策提案者

議員名 村井 英樹
政党 衆議院議員・自由民主党
プロフィール https://polipoli-web.com/politicians/3Or29mOLgoahAWUnTTg9/policies

 

(2)老後・年金に対する不安をツールで解消する政策の政策目標

政策目標は主に以下の通りです。

  • 年金に対する過度な不安を払拭し、適切に老後の生活を描 けるようにします

(3)実現への取り組み

実現への取り組みは以下の通りです。

  • 公的年金シミュレーター上の試算データを、民間の家計簿・資産管理アプリに取り込んで連携できるようにします

この政策の詳細をより知りたい方や、政策の進捗を確認したい方は下記リンクからご確認ください。

年収の壁とは

まとめ

年収の壁・支援強化パッケージのスタートで、「年収の壁」問題が解決し、経済的な負担が減る場合もあります。

今後も「年収の壁」を意識せず働くことができるよう、国の政策を追っていきましょう。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
株式会社PoliPoliが運営する「政治をもっと身近に。」を理念とするWebメディアです。 社内編集チーム・ライター、外部のプロの編集者による豊富な知見や取材に基づき、生活に関わる政策テーマ、政治家や企業の独自インタビューを発信しています。