政府はNTT法の一部を改正する法律案を3月1日に閣議決定しました。
NTT法とはかつて存在した日本電信電話公社(電電公社)が1985年に民営化されたことに伴い生まれた法律です。
NTT法は正式名称を「日本電信電話株式会社等に関する法律」と言い、NTTの株式の三分の一以上に当たる株式を保有する必要があることを定めるなど、同社の経営方針を規定しています。
同法を所管する総務省によれば、NTT法改正を目指す背景には、人口減少等の社会構造の変化や市場のグローバル化に対応し、利用者の利益を確保する狙いがあります。
松本総務大臣も2024年2月27日の記者会見で
「通信環境を巡っては提供する側、技術も含めて大きく変わり、利用状況も大きく変わってきている。制度もそれに合わせた対応が必要」との認識を示しています。
一方でNTTの同業となる他の通信事業者は3月1日に連名で見解を表明しました。その中ではNTT法の廃止を含めた検討や時限を設ける規定は拙速な議論を招きかねず、引き続きNTT法の「廃止」には反対で、より慎重な政策議論が行われることを強く要望する形となりました。(参照:3月1日に閣議決定されたNTT法改正案への見解)
NTT法の改正は公的なインフラサービスを提供する同社の研究開発や外資による株式購入を促進する側面があります。同業他社が反対する中で改正を進めることで、私たちの暮らしに不可欠な、インフラを取り巻く環境がどのように変化するか注目されます。