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規制改革推進会議とは?会議の概要や政府の取り組みについて簡単解説

投稿日2021.3.19
最終更新日2021.03.17

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規制改革推進会議とは、改革を推し進めるうえで障害となりうる規制について話し合う場です。 

今回の記事では、

  • 規制改革推進会議の概要
  • 規制改革実施計画の概要
  • 規制改革に対する政府の取り組み

などについて、わかりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。 

1、規制改革推進会議とは

規制改革推進会議
「規制改革推進会議」とは、内閣府設置法第37条第2項に基づき設置された、合議制の機関(審議会)です。

 規制改革推進会議は、内閣総理大臣を議長とし、関係大臣や関係官僚、民間有識者などによって構成されます。

内閣総理大臣の諮問を受けて設置され、さまざまな規制改革の基本的な項目について話し合います。
2020年の菅政権下で開かれた規制改革推進会議では、

  • 押印・対面制度などの見直し
  • テレワークの普及・促進
  • 放送コンテンツ制度の整備
  • 強い農林水産業の創出に向けた改革

などが取り組むべきテーマとして取り上げられています。

参考:当面の規制改革の実施事項の概要|内閣府
参考:「規制改革推進会議」について|内閣府
参考:内閣府設置法 

2、規制改革実施計画に盛り込まれている6分野

規制改革推進会議によって、閣議決定されるのが「規制改革実施計画」です。
構造改革に取り組むうえで、障害とされる

  • 規制の見直し
  • 手続きの簡素化

などを進めることを目的としています。

2020年7月に閣議決定された実施計画では、以下6つを規制改革の重点分野として取り上げました。

  • 成長戦略分野
  • 雇用分野
  • 投資等分野
  • 医療・介護分野
  • 農林水産分野
  • 行政手続き分野

各内容について、それぞれ確認していきましょう。

参考:「規制改革実施計画」(令和2年7月17日閣議決定)

(1)成長戦略分野

デジタル技術を用いた、インフラ整備や技術革新への取り組みは、日本経済の持続的な成長に欠かせません。

「デジタル社会」の実現を目指すべく、政府は社会基盤の整備に取り組んでいます。

具体的には

  • デジタル社会発展の障害となる現規制の見直し
  • 各インフラ施設でのデータの活用や環境の整備
  • 交通分野でのデータ整備や連携の促進
  • 書面規制・押印・対面規制の見直し

などです。

(2) 雇用分野

雇用分野では、誰もが安心して働ける環境整備を通じて、労働力不足を克服し、日本の持続的な成長を実現させることを目的としています。

雇用分野については、規制よりも制度運用についての言及が多くありました。

具体的には

  • 優れた知識や技能スキルなどを持つ人材の育成環境の整備
  • フリーランスなどの相談に関する窓口の環境整備
  • 外国人材に対する受け入れの推進
  • 高校生に対する就職支援の強化
  • 看護師の日雇い派遣に関する検討

などです。 

(3)投資等分野

投資等分野では、技術革新や日本の現状に対応できるような制度の見直し・整備をすることで、国民や企業のさらなる活力の向上を目的としています。

投資等分野に対する、具体的な事業活動は

  • フィンテックによる多種多様な金融サービスの提供
  • 自動運転の実施に向けた環境整備
  • タクシーの利便性の向上
  • 電波や通信に関連した制度改革
  • 水素スタンドに関連した規制の見直し

などです。

(4)医療・介護分野

医療・介護分野では、

  • 国民の自律的な健康づくり
  • 医療・介護提供体制の充実
  • 未来に向けた医療・介護サービスの発展

を目的としています。

規制以上にガイドラインの作成・見直しについての言及が多くありました。

具体的には

  • 医療分野などでのデータ利活用
  • 救急救命士の活用
  • 介護サービス向上に向けたICTや ai などの導入促進
  • 社会保険診療報酬支払基金に関する見直し

などです。

(5)農林水産分野

農林水産分野では、

  • 成長産業化に向けた新たな環境整備
  • 水産物や漁業生産資材の流通透明化

などを目指した事業活動が取り組まれています。

具体的には

  • 若者の農業参入などの促進
  • ドローンや農業ロボットなどスマート農業の普及
  • 農協改革の促進
  • 畜舎関連に対する規制の見直し
  • 改正漁業法の適切な運用
  • 水産物や漁業生産資材の流通に関する点検
  • 魚病対策の迅速化

などです。

(6)行政手続き分野

行政手続き分野では、労働人口減少や新型コロナで浮き彫りになった行政課題への対処が求められています。

 そこで、

  • 利便性の向上
  • 手続きにかかるコスト削減

などに向けて政府が重要視しているのが、行政手続きの簡素化や一体化です。 

具体的には

  • 行政手続きコスト20%削減の対策強化
  • 個人事業主の事業承継時の手続き簡素化
  • 行政手続における書面規制・押印・対面規制の見直し
  • 保育所入所時の就労証明書作成手続きの負担軽減
  • オンライン利用率引き上げのための環境整備

などが挙げられています。

「各分野でどのような話し合いをしているのかもっと知りたい」という方は、規制改革|内閣府のサイトを覗いてみてください。

3、規制改革に対する政府の取り組み

規制改革推進会議
規制改革の促進のために、政府は実際どのような取り組みをしているのでしょうか。
 

ここからは

  • 規制改革・行政改革ホットライン
  • 再生可能エネルギーに関する規制等総点検タスクフォース
  • 規制改革チャンネル(YouTube)

という政府が進める3つの取り組みについて紹介します。

参考:規制改革|内閣府 

(1)規制改革・行政改革ホットライン

政府は、国の規制改革・行政改革に関する具体的な提案を募集するため「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」を立ち上げました。

 このホットラインは、2020年9月に規制改革大臣を就任した河野氏が自身のホームページで開設したものです。

実際に提案されたものとしては

  • 法務局の登記簿謄本と公図のデジタル化
  • 戸籍謄本の海外からの取り寄せについて
  • 健康保険証のデジタル化
  • インターネット回線の縛り契約緩和
  • 保育園への受入基準における曖昧さの改善
  • 選挙における電子投票の選択肢

などがあります。

提案内容はあらゆる分野にわたり、会社や自治体だけでなく個人からの意見・提案も多く寄せられたようです。

今後は内閣府が従来運営していたホットラインに一本化し、早期に対応すべき提案についてはその都度関係省庁が対応を促すとのことです。

参考:受け付けた提案及び所管省庁からの回答:「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」|内閣府

(2)再生可能エネルギーに関する規制等総点検タスクフォース

2019年11月に設置された「再生可能エネルギーに関する規制等総点検タスクフォース」も、規制改革に対する政府の取り組みの1つです。

政府は、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」2050年カーボンニュートラル社会の実現を目指しています。

カーボンニュートラル社会の実現ためには、

  • 太陽光発電
  • 風力発電

など再生可能エネルギーが主力電源になるような制度の導入が必要になります。

ただ、再生エネルギーの主力電源化および最大限の導入にあたっては

  • 地制約:農地や自然公園などに関する規制や環境規制
  • 系統制約:送電工の非効率的運用や再生エネルギー接続の劣後
  • 市場制約:取引市場の未成熟性や不十分な情報公開
  • 地域との調整:各種法令の設置基準や条例
  • その他:安全・保安規制

などの様々な制約があります。

こうした規制などにスピードに対応するため、タスクフォースが設置されたのです。

参考:再生可能エネルギーに関する規制等総点検タスクフォース|内閣府

(3)規制改革チャンネル(YouTube)

規制改革の内容について、幅広く国民に知ってもらうことも政府の重要な仕事の1つです。
そこで、政府は規制改革推進室の公式YouTubeアカウント「規制改革チャンネル」を2020年に開設しました。

規制改革チャンネルでは

  • 規制改革に関する会議のライブ中継
  • 有識者の意見

などが発信されています。

また、上記の「再生可能エネルギーに関する規制等総点検タスクフォース」を議論する様子もYouTubeにて視聴ができるようになっています。

興味のある方は、以下のURLからぜひご覧ください。

参考:内閣府規制改革推進室公式アカウント「規制改革チャンネル」

まとめ

今回は規制改革推進会議についてご紹介しました。

規制改革推進会議は、内閣総理大臣の諮問を受けて設置されるもので、政府が規制改革を推し進めるうえで欠かせない審議会です。

難しいイメージがある会議ですが、最近ではその内容をYouTubeで発信するなど、規制改革をより身近に感じてもらう広報プログラムも始まっています。

時代に適した規制のあり方を模索し、日本の経済成長力の維持と強化を目指す規制改革推進会議の取り組みに今後も注目したいですね。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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