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政治ドットコム政治用語ワーケーションとは?定義やメリット・デメリットを簡単解説

ワーケーションとは?定義やメリット・デメリットを簡単解説

投稿日2021.2.27
最終更新日2023.06.06

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「ワーケーション」とは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた言葉です。オフィスを離れ、非日常の土地で働くことにより生産性や心の健康を高め、新たなワーク&ライフスタイルを体験する手段です。

2020年より感染症の影響でテレワークを導入する企業が増え、働き方が大きく変化しました。働き方の変化に伴い、需要の増大を想定し、各観光地ではワーケーション向けの施設が増えました。

そこで今回はワーケーションについて、以下のとおりご紹介します。

  • ワーケーションの概要、背景
  • ワーケーションのメリットとデメリット
  • ワーケーションの具体的な事例

本記事がお役に立てば幸いです。

1、ワーケーションとは

ワーケーション
「ワーケーション」は「Work(仕事)+Vacation(休暇)」の組み合わせから生まれた言葉です。

 観光地やリゾート地など休暇向きの地域で、テレワークなどを活用した仕事をしつつ、休暇を取ることをワーケーションと言います。在宅勤務やレンタルオフィスでの仕事とは区別されます。

ワーケーションの定義は、あくまで「“休暇”と組み合わせて“仕事”ができる環境で過ごし、どちらも楽しむこと」と言えるかもしれません。

「ワーケーション」は、「テレワーク」と共に2020年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされました。

2、日本でワーケーションが推進されるようになった背景

ワーケーションが推進されるようになった背景には、新型コロナウイルスの影響が大きいと言われています。

ただコロナ禍以前から、政府による「働き方改革」の一環として、ワーケーションにつながる動きがあったことも事実です。

日本でワーケーション推進の主な背景となった、以下の要素についてご紹介します。

  • 働き方改革
  • 新型コロナウイルスの影響

(1)働き方改革

政府が働き方改革を主導し始めたのは、2016年9月に「働き方改革実現推進室」を発足させてからだと言われています。

少子高齢化において労働力不足が叫ばれる日本では、女性の社会進出もあいまって、働き方の改革が重視されてきました。 

2017年には「働き方改革実行計画」の発表、2018年7月には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が成立します。

こうして働き方改革は、法的にも効力を持つ政策となりました。

2019年4月には、

  • 有給休暇の取得義務化
  • 時間外労働の上限規制

が定められ、働き方改革が大きく前進しました。

 このような働き方改革の流れに加えて、2020年に発生したコロナウイルスの影響もあり、「ワーケーション」が強く推進されるようになったのです。

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(2)新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出され、2020年は「従来の生活や働き方」とは大きく異なる1年となりました。

特に「場所」の面で働き方改革を行わざるを得ない事態に陥ったと言えます。

感染拡大を防ぐためにも、人が直接集まらずとも仕事ができる環境の整備が必要になりました。結果としてテレワーク(リモートワーク)の導入が急速に進んだのです。

また、コロナウイルスによる経済損失が大きかった業種は観光業です。特に外国人観光客が多く訪れていた観光地は、大打撃受けました。 GoToトラベルを始めとしたキャンペーンはあったものの、観光需要回復は難しいと言えます。

観光地域に少しでも経済的な利益をもたらすためにも、今までの施策と合わせて、ワーケーションを始めとした新たな仕事の文化が求められてるのです。

2020年10月の総理による所信表明演説においても、ワーケーションへの意欲が語られました。

参考:首相官邸

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3、ワーケーションのメリット・デメリット

ワーケーション
ワーケーションは推進されているものの、メリットだけではなくデメリットもあるのが現実です。
ワーケーションのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

(1)ワーケーションのメリット

メリットは「働く環境の改善」です。
通勤する必要がなくなるので、長時間移動や満員電車などによるストレスを減らすことができます。

また「休暇先の選択肢が増える」というメリットもあります。

「長期休暇が取れないから旅行ができなかった」、「自宅から遠いリゾート地には、なかなか行く機会がなかった」という人にとっては、働く場所をリゾート地に移せることは大きな変化でしょう。

 リゾート地で働いていれば、1日休みを取るだけで、観光や現地アクティビティを楽しむことができます。

さらに、ワーケーション人口が増えることで、地方経済においてもメリットがあります。

ワーケーションは通常の観光旅行よりも期間が長くなる傾向にあるため、観光地である地方都市においては消費の増加が見込めるからです。

長期滞在となれば、現地住民との交流も生まれやすく、新たな地方ビジネスの誕生や地方移住の可能性も高まるでしょう。

(2)ワーケーションのデメリット

ワーケーションのデメリットとしては、仕事と休暇の線引きが難しくなる点です。会社で机を並べて作業しているときよりも、作業時間や集中度が可視化しづらいという点も影響しています。

観光地自体が仕事時の誘惑になり得るため、働く個人が自身を律する必要があります。また、新たな勤怠管理の仕組みを導入する必要がある企業もあるでしょう。

テレビ会議に必要なシステムを設置するための設備投資も必要となるかもしれません。あわせて、ワーケーションを始めるにあたって、就業規則や労働条件の改定などにも対応する必要があると言われています。

4、ワーケーション自治体協議会

2019年11月に、「ワーケーション自治体協議会」が開催されました。

 ワーケーションの全国的な普及促進を目的とし、ワーケーションをすでに受け入れている、また賛同する自治体によって開かれました。

第一回の時点では65団体の参加でしたが、2020年6月末時点では89の自治体が参加しました。団体の会長は和歌山県の仁坂吉伸知事、会長代行は長野県の阿部守一知事がそれぞれ選任されました。

 また2020年7月以降には、協議会は政府に対して、以下5つの要望を出しました。

  • 政府におけるワーケーション推進本部(仮称)の設置
  • ワーケーション施設整備への財政措置
  • ワーケーションの普及啓発に向けた周知広報
  • ワーケーションアドバイザー制度(仮称)の創設
  • ワーケーション推進大賞(仮称)の創設

参考:ワーケーション自治体協議会

5、自治体のワーケーション事業事例

ワーケーション
続いて、各自治体におけるワーケーションの事業事例を見ていきましょう。

(1)富良野市におけるワーケーション事業

まずは北海道・富良野市の事例です。
市の委託を受けた株式会社ワイズスタッフが中心となり、ワーケーション事業を運営しています。

コワーキングスペースや滞在先(ゲストハウスなど)が完備されており、都内の会社員などがプログラムを利用してワーケーションを実施しているようです。また、テレワークやオフィス立地に関する各種補助金などの支援制度も整っています。

しかし、プログラムとしての受け入れ可能人数はまだまだ少ないようです。

コワーキングスペース施設の拡大など、利用者数を増やせるような取り組みが求められるでしょう。 

参考:富良野市紹介

参考:富良野市ワーケーション

(2)信濃町におけるワーケーション事業事例

続いて、長野県・信濃町の事例です。

信濃町には、2019年5月に「信濃町ノマドワークセンター」という法人向け貸切型のリモートワーク施設がオープンしました。

この施設は、使われていなかった町営の施設をリノベーションしたものです。キャンプ場の敷地内にあるため、春から夏にかけてキャンプを楽しむこともできます。 

またコピー機やプロジェクター、3Dプリンターまで揃っており、仕事をするにも快適な環境です。

宿泊施設は併設されていないため、別途手配する必要がありますが、法人向けのリモートワーク施設という点では充実した環境と言えるかもしれません。 

参考:信濃町 

(3)和歌山県におけるワーケーション事業事例

最後に、和歌山県における事例です。

和歌山県は、知事がワーケーション自治体協議会の会長を務めていることからも、県としてワーケーションに対して先進的な考えを持っています。

白浜という一大リゾート地は、東京や関西からのアクセスもしやすいです。また県外の企業誘致にも力を入れています。

2015年の段階で「ふるさとテレワーク事業」を活用し、複数のIT企業を白浜町に誘致しました。白浜町は、ネット環境・交通整備・観光スポットが充実しており、多くの企業から高い評価を受けています。

2018年の段階では白浜町のITビジネスオフィスには、13社が入居しています。

オフィス新設や移転を通じて延べ100人以上の方々が白浜町で雇用されており、地域の雇用拡大という点でも良い影響を与えています。

参考:和歌山県白浜町 | テレワーク総合情報サイト「Telework Net」

参考:和歌山県ワーケーション

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まとめ

今回はワーケーションについて詳しくご紹介しました。 ワーケーションの概要、メリット・デメリットに加えて、具体的な事例もおわかりいただけたのではないでしょうか。

本記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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