<概要>
国会では政治倫理審査会の開催をめぐり与野党間の交渉が続いています。
政治倫理審査会は政治倫理の確立のため、議員が「行為規範・その他の法令の規定に著しく違反し、政治的道義的責任があると認めるかどうかについて審査し、適当な勧告を行う機関」です(参考:衆議院HP)
設置の根拠となるのは国会法の第124条3項です。そこには「政治倫理の確立のため、各議院に政治倫理審査会を設ける」と定められています。
自民党における政治資金問題をめぐり、与野党は衆議院にて政治倫理審査会を開催する方向で議論を続けてきました。ただその開催様式をめぐり、両者の溝は深いままとなっています。
政治倫理審査会をめぐる与野党の攻防は通常国会における予算審議にも影響を及ぼしかねない状況です。予算は新年度(4月1日)が始まる前に国会で成立することが条件です。成立した予算案を元に国が新年度の政策を実行する仕組みになっているからです。
ただ何らかの理由で予算が成立しなかった場合、行政サービスや政策の推進が停止することのない仕組みが作られています。それが「暫定予算」と呼ばれる仕組みです。
財政法第30条では「内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる」と定められ、また暫定予算は「当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基く支出又はこれに基く債務の負担があるときは、これを当該年度の予算に基いてなしたものとみなす」とされています。(参照:e-GOV)
<これからの焦点>
仮に政治倫理審査会をめぐる与野党協議が長引き、国会における予算審議に遅れが生じた場合、今年度の予算が年度内(3月中)に成立しない可能性もあります。その場合、暫定予算の編成も視野に入れながらの審議となりそうです。