2023年9月【スタートアップ】新しい資本主義担当、スタートアップ担当大臣に新藤義孝議員が新任　他

投稿日2023.10.5
最終更新日2023.12.25

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政策共創プラットフォーム『PoliPoli』（https://polipoli-web.com/）を運営する事務局が、2023年9月の「スタートアップ」に関する注目ニュースをお届けします！

（1）新しい資本主義担当、スタートアップ担当大臣に新藤義孝議員が新任

9月13日、第2次岸田第2次改造内閣が発足し、19人の閣僚のうち13人を入れ替える大幅な改造となりました。

岸田内閣の主要政策の1つで、社会の構造変化に合わせて経済成長を推進する「新しい資本主義」やその関連のスタートアップ、経済再生の担当大臣として、新藤義孝議員が新任されました。

スタートアップ政策は、2022年11月に「スタートアップ育成5ヵ年計画」が策定され、この計画の中で、1つの目安として現在の8,000億円の投資額を5年後には10兆円規模に拡大することを目標に掲げ、スタートアップを支えるエコシステムを機能させるべく取り組みを進めています。

新藤大臣は就任記者会見で、「日本のスタートアップが世界と比べてどうかと言うことを比較検証していき、世界経済の中でイニシアチブを発揮していくために様々な検討をしていきたい」と述べると同時に、「デジタルや規制改革を活用しながら、各省庁の施策や取組を横断的に連携させることで、新しい産業、新しい経済効果を創出していきたい」と述べました。

（参考）
・首相官邸「第2次岸田第2次改造内閣閣僚等名簿」
・内閣府「新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨令和５年9月14日」
・首相官邸「新しい資本主義」

（2）「AIリスク」対策強化へ政府がガイドライン骨子案

政府は9月7日の「G7広島AIプロセス閣僚級会合」の成果として閣僚声明を採択しました。AI開発者を対象とする指針と行動規範について、G7首脳への提示を目指すことをはじめ、偽情報対策に資する研究の促進等のプロジェクトベースの協力や幅広いマルチステークホルダーの意見を今後採り入れることに合意したことを踏まえ、翌日の9月8日には、政府内で「AI戦略会議」が開催されました。

この会議では、「新AI事業者ガイドライン」の骨子案が示されました。骨子案には「AI に関する多様なリスクを認識し、計画を策定し、行動をとらなければならない。一定規模以上の組織においては、AIガバナンスポリシー及び体制を構築することが望ましい」とし、開発者向けには「AIシステムの目的、機能、予想される効果やリスクについての情報を開示するか、または利用者に説明すべきではないか」等の文言が盛り込まれました。今後、事業者がAIを業務に利用していく際、特別な対応が求められる可能性があります。
また、会議では省庁内で生成AIを利用する業務利用に関する申し合わせの改訂についても話し合われています。

2024年度のAI関連予算としては、昨年対比44%増の約1,641億円が要求されており、今後ますますAIの活用が推進される見込みです。

（参考）
・内閣府「AI戦略会議第５回」
・新AI事業者ガイドラインスケルトン（案）
・総務省「広島AIプロセス閣僚級会合」

（3）2023年10月からインボイス制度が始まる、スタートアップ事業者への影響は

2022年4月に消費税法等の一部が改正され、適格請求書等保存方式（インボイス制度）に関して見直しが行われました。2023年10月に施行され、インボイス制度が導入されます。
背景には2019年10月の消費税率の引き上げが関係しており、消費税に一部軽減税率が導入され、10％と8％の2つの税率が混在することになったことを受け、事業者からの消費税の適正な申告・納税の実現などを目的にしています。

課税売上高が1,000万円に満たない免税事業者にはスタートアップも多く含まれており、インボイス発行事業者になることで報酬が減少してしまうため、事業者たちから9月に入ってなお意見書が出ているのも事実です。

松野官房長官は26日の記者会見で、インボイス制度開始に伴う中小事業者の懸念に対して、取引環境の整備や免税事業者との取引についても一定期間は控除できる経過措置等の支援について述べ、10月中に取りまとめる経済対策についても、事業者への支援について検討していることを明かしました。

9月中にもインボイス制度に関わる関係閣僚会議を行う予定です。
（参考）
・国税庁「インボイス制度の概要」
・e-Gov「消費税法」
・首相官邸「内閣官房長官記者会見（令和5年9月26日（火）午前）」