「政治をもっと身近に。」
政治に関する情報をわかりやすくお届けします。

政治ドットコムインタビュー政治家インタビュー無所属再選!平山佐知子議員が目指すエネルギー政策とは?

無所属再選!平山佐知子議員が目指すエネルギー政策とは?

投稿日2024.7.10
最終更新日2024.07.10

Warning: Undefined variable $pots_id in /home/learise/stg-ymzk.com/public_html/pxtnuzmy/wp-content/themes/myTheme2/single.php on line 48

ロシアのウクライナ侵攻後、国際エネルギー市場における需給のバランスは大幅に崩れ、世界的にエネルギー価格が高騰しました。また、日本のエネルギー自給率は約13%と世界的に見ても低く、エネルギー安全保障の重要性が高まっています。

今回のインタビューでは、エネルギー政策に精力的に取り組む平山佐知子議員に、日本のエネルギー政策についての問題意識をお伺いするとともに、政治家としての原点や「日・トルクメニスタン友好議員連盟」の活動などについてお伺いしました。

平山佐知子議員インタビュー

平山 佐知子(ひらやま さちこ)議員
1971年静岡県静岡市生まれ。日本福祉大学女子短期大学部保育学科卒業。
河合楽器製作所を経て、NHKのキャスターを16年間務める。
2016年参議院議員選挙に初当選。2022年に再選。

(1)目の前の人を救うには議員になるしかない:キャスターから政治の道へ

ー平山議員が政治家を目指したきっかけについて教えてください。

NHKの報道番組でキャスターを務めていたときの経験が、政治を志すきっかけとなりました。

私は、1999年から2014年まで、NHK静岡放送局で「たっぷり静岡」などを担当していました。自ら現場で取材する経験を通じて、さまざまな社会課題を目の当たりにしました。特に、母子家庭の貧困問題などを取り上げた際には、「母親1人で育てていくのは本当に大変」という声をたくさん伺いました。私としても、この問題をなんとかしたいとの思いから、「静岡県母子寡婦福祉連合会(現在は静岡県ひとり親福祉連合会)」と協力し、ボランティア活動を行ってきました。

その際、「静岡県母子寡婦福祉連合会」の方が「国にずっと要望書を出しているけれど、なにも改善されない」とおっしゃっていて。「自分はキャスターとして問題を世の中に伝えることはできる。しかし、目の前の人を助けられるのは立法しかない」と思いました。また、国会に女性が少ないことも問題が解決に進まない一因だと感じたので、だったら私がやろうと思いました。当選後、ひとり親の貧困については国会でも取り上げ続け、当時よりかなり社会的認知度が高まったと思います。

ー1回目の選挙では民進党から出馬し、その後無所属で再選されています。無所属で活動することのよさや大変な部分について教えてください。

無所属のよいところは、まだ誰も取り上げていない課題に対してしがらみなく声をあげられるところです。まだ誰も課題として取り上げていないことを汲み取って、課題解決のためにまず一歩踏み出すこと。票にならない分野でも自分の意思で飛び込んでいくことができます。

これは、私が所属しているのが参議院だから、ということも関係しています。参議院は「良識の府」と呼ばれており、委員会は無所属でも発言できる歴史と土壌があります。また、参議院議員同士で、政党を超えた連帯感があるとも感じます。以前、社会保障について与党の勉強会にオブザーバーとして参加しました。女性議員も少ない中で幅広く意見が聞きたいと誘われたんです。私は元々、高等学校等修学支援金の所得要件撤廃、児童手当や出産祝い金、また、ひとり親支援制度等の拡充を訴えてきました。こうした訴えは直接的でなくとも法律に必ず結びついていると感じています。政策について、理念が一致すれば一緒に活動できるのは無所属の強みだと思います。

一方で、無所属の弱みとしては、やはり国会では数の力も重要です。実際に政策を実現することは一筋縄ではいきませんが、無所属として活動してもう7年ほど。これまで培ってきた人脈などを生かし多くの人と連携して政策が前に進むよう引き続き努力します。

平山佐知子議員インタビュー

(2)平和を守るために重要なのは、エネルギー政策

ー平山議員はエネルギー政策にも力を入れています。エネルギー政策に取り組むきっかけはなんだったのでしょうか?

資源の乏しい日本では、エネルギー政策が平和を維持するために重要だからです。太平洋戦争は1941年のアメリカの対日石油全面禁輸が開戦のきっかけの1つとなっています。1940年当時、日本は石油の92%を海外に依存し、そのほとんどはアメリカから輸入していました。石油の禁輸によってエネルギーが枯渇した日本は、現在のインドネシアなどを占領し資源を確保しようとしました。その結果はみなさまご承知のとおりです。

現在も日本のエネルギー自給率は13.3%と世界的に見ても非常に低い水準です。これは、日本のエネルギー供給のほとんどを海外から輸入した化石燃料でまかなっていることが要因です。ウクライナ戦争、イスラエルのガザ侵攻などで国際情勢が不安定となっている中、エネルギーの海外依存について真剣に議論すべきだと考えます。

ー国会議員になる以前から、平和とエネルギーについて関心を持たれていたのでしょうか?

平和への思いを持ったきっかけは、子どもの時に読んだ壺井栄の小説『二十四の瞳』です。当時、私は中学生くらいだったのですが、自分と同じくらいの年齢の子どもたちが、戦争によって人生を変えられていくことがとても印象に残りました。兵士だけではなく、戦地に行かなった女性や子どもたちにも戦争は大きな影響を与えていたのだと気づき、2度と戦争を起こさないために何ができるのか自分なりにずっと考えてきました。NHKのキャスター時代にも、戦争体験者の取材に行き、当時のお話を聞かせていただく機会がありました。時間が経ったからこそ語ることができる、また現地に行くからこそわかることがあり、大変勉強になりました。

ー今後、エネルギー政策についてどのようなことに取り組んでいきたいですか。

エネルギーの購入先の多角化に加えて、あらゆるエネルギー供給源を否定しないことが重要だと思います。ロシアのウクライナ侵攻後、LNGの需給が逼迫し価格が高騰しました。国民生活や企業活動を維持するためには、電力の安定供給だけではなく、電力価格を抑えることも重要です。再生可能エネルギーについては、出力が不安定であり、調整電源としてLNG火力などが必要です。原子力については、現在も否定的な声が多いですが、地球温暖化の防止と経済発展を一緒にどうしていくか考える必要があると思います。エネルギー安全保障の問題については現在は経済産業委員会の所属のため、今後も取り上げていきたいと思っています。

平山佐知子議員インタビュー

(3)「日・トルクメニスタン友好議員連盟」での活動

ー平山議員は「日・トルクメニスタン友好議員連盟」に所属しています。議員連盟ではどのような活動を行っているのでしょうか?

まずトルクメニスタンのご説明をします。トルクメニスタンは、イランとアフガニスタンの北に位置する国です。トルクメニスタンは世界でも有数の天然ガスの生産地で、政府も関係を強化しており、年内には「中央アジア+日本」という枠組みのなかで首脳会談も予定されています。一方、トルクメニスタンとしては、資源加工に関して日本の技術協力と人材育成に期待しています。特に現在はインフラが不十分なことによるメタンガスの漏出が課題となっており、メタンガス回収など脱炭素分野での協力を日本に求めています。

今、日本とトルクメニスタンの関係は徐々に深まっていますが、まだ国民の間ではトルクメニスタンのことはなかなか知られていないと思います。そこで重要になるのが、さまざまなレベルでの交流です。私は、日本とトルクメニスタンの関係を強化する上で、政府間の交流だけではなく、議員間の交流、国民間の交流を広げていくことが大切だと考えています。

「日・トルクメニスタン友好議員連盟」では、昨年新たに建設された都市のオープニング式典に合わせてトルクメニスタンに行き、メレドフ副首相兼外相とも面会しました。また、国民同士の文化交流も活発化しています。トルクメニスタンでは日本のアニメが人気で、日本語の学習者が1万人以上いるそうです。また、6月14日はトルクメニスタンの文化の日だったのですが、日本でも関連するイベントが開催されました。議員同士、国民同士の交流が活発になることで、日本とトルクメニスタンの信頼関係がより強固なものになると思います。

平山佐知子議員インタビュー

(4)希望をもって努力すれば夢が叶う社会へ

ー今後、平山議員が取り組みたい政策テーマは何ですか。

まず取り組みたいのは少子化対策です。今年の通常国会で、子ども子育て支援法が成立しました。児童手当の高校生までの支給延長、第三子以降の拡充、所得制限撤廃など、評価できる部分もありましたが、今後さらに取り組みを加速させる必要があると思います。子どもを育てるのにはどうしてもお金がかかります。教育費負担もありますが、例えば野球がやりたいと思ったとき、ユニフォーム、バット、グローブ、シューズなど、必要なものがたくさんありますよね。お金がかかるから、子どもにやりたいことを挑戦させてあげられない。またお金がかかるから子どもを諦める、2人目を諦める。そういったことがない社会を実現したいです。

また、障がい者スポーツについても関心を持っています。現在、私は静波パラサーフィンフェスタの顧問を務めているのですが、そこで「水の中に入れる車椅子があれば障がいのある方でもサーフィンを楽しむことができる。車椅子の当事者の方も、水陸両用の車椅子の存在を知らなければ自分はサーフィンなんかとてもできない、と思われるけれど、その車椅子があれば実はできるんです」と伺いました。その話を聞いて、ハードを整えれば実はサーフィンもできる、やろうと思えば夢も叶うんだという希望が大切なんじゃないかと思いました。その車椅子は特殊なもので非常に高価なものらしいのでもちろん検討も必要ですが、ハード面を整備することで、障がいのある方がスポーツを楽しみ、希望を持つことができるのではないかと考えました。

少子化対策、障がい者スポーツの両方につながりますが、私は、希望をもって努力すれば夢が叶う社会が理想だと思います。誰もが等しく夢が持てる社会を作るのが政治の役割です。そういった国づくりのため、今後も努力していきたいと思います。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
株式会社PoliPoliが運営する「政治をもっと身近に。」を理念とするWebメディアです。 社内編集チーム・ライター、外部のプロの編集者による豊富な知見や取材に基づき、生活に関わる政策テーマ、政治家や企業の独自インタビューを発信しています。