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町おこしとは?経済効果から地域おこし協力隊・事例まで簡単解説

投稿日2021.5.31
最終更新日2021.06.09

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町おこしとは、地域の経済力向上などを目的とした取り組みのことです。
大都市圏への人口流出によって、地域コミュニティの衰退が進む中、持続可能な町おこしが求められています。

そこで今回の記事では

  •  町おこしの概要
  • 町おこしの経済効果
  • 地域おこし協力隊
  • 町おこしの具体例

についてわかりやすく解説したいと思います。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、町おこしとは

町おこし
町おこしとは、地域の

  • 人口増加
  • 文化
  • 経済

などの活性化を目的とした取り組みを指します。
「町おこし」と「村おこし」をまとめて「地域おこし」と呼ぶこともあります。

(1)町おこしの柱

町おこしにおける重要なキーワードは、以下2つです。

  • 地方創生
  • 地域活性化

「地方創生」とは、2014年に安倍政権によって発表された政策です。
東京への人口集中状態を改善し、地方における人口減少を防ぐことで、日本の活性化を目指しています。

政府は具体的に

  • 経済支援(地方創生関係交付金制度)
  • 人的支援(地方創生人材支援制度)
  • 情報支援(地域経済分析システム:RESAS)

というつの方向から、地方創生の推進に取り組んでいます。

また地域活性化の例としては、地域住民の

  • 交流機会の拡大
  • 伝統文化の継承

といった面が、重視されています。

参考:地方創生の現状と今後の展開|内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局

地方創生とは?地方活性化への取り組み・背景・事例を簡単解説

「地方創生」とは、地方の人口減少に歯止めをかけ、活力ある日本社会の実現を目的とした一連の政策を指します。 新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がり、「地方移住」や「二拠点生活」など、地方での暮らしに注目が集まりました。 さらに、国からは地方公共団体がコロナウイルス対策に取組むための「地方創生臨時交付金」の給付もありました。 そこで今回は以下について解説します。 地方...

(2)町おこしが求められる背景

少子高齢化に直面している日本では、特に地方での人口減少が大きな問題となっています。
東京をはじめとする都心部への若者の移住によって、地方での人材不足が発生している傾向にあります。

2020年の統計局がまとめたデータによると、外国人を除く東京圏への転入者は、約万人でした。
2019年と比べて縮小したものの、未だ多くの人が都心部へ流入していることがわかります。
町おこし
画像出典:住民基本台帳人口移動報告2020年(令和2年)結果|総務省統計局

また、地方の人口減少によって生じる問題は、人材不足だけではありません。

  • 地方経済の縮小
  •  空き家の増加
  •  地方税収の減少

など対処すべき課題は多くあり、そういった事情から町の活性化が求められているのです。

参考:人口・経済・地域社会の将来像|内閣府

少子高齢化とは?人口減少が招く社会問題を簡単解説

「少子高齢化」は、日本社会にとって最も深刻な問題の1つです。 人口減少や労働力不足、年金や介護問題など、社会全体に大きな影響を与えています。 地方の過疎化も進行し、地域格差も広がっています。 これらの課題を解決するためには、働き方改革や子育て支援策など多岐にわたる対策が必要でしょう。 今回は以下の内容についてわかりやすくご紹介します。 少子高齢化の概要 どんな影...

過疎化とは?過疎化の現状・問題・対策を簡単解説

過疎化とは、ある地域で急激に人口が減少し、コミュニティや生活の維持が難しくなる現象です。 高度経済成長期の都市への人の移動をきっかけに過疎化がはじまり、現在は少子高齢化によって過疎化が進行しています。 そこで本記事では 過疎化とは 過疎化の現状 過疎化がもたらす悪影響 過疎化に対する対策 についてご紹介します。 本記事がお役に立てば幸いです。 1、...

2、町おこしによる経済効果

町おこしによる主な経済効果には、以下の点が挙げられます。

  • 人口の増加
  • 地方での雇用創出効果
  • 観光客の増加

これらつの視点についてみていきましょう。

(1)人口の増加

主な経済効果のつ目は「人口の増加」です。

たとえば

  • 空き家や公営住宅の提供
  • I ターン・ U ターン移住の支援
  • 家賃補助などの居住支援

に取り組むことで、外部からの移住を増やし、流出を減らすことが期待できます。
また子育て支援などの、長期的な定住に結びつく環境整備も重要な施策のつです。

島根県大田市の「中村ブレイス株式会社」では、街の景観を維持するため、40年間で古民家を50軒以上も再生しました。

地域PRにも貢献し、改築した古民家には、IターンやUターンをした住民が多数移住しているようです。

参考:環境・社会貢献・CSR|中村ブレイス株式会社

(2)地方での雇用創出効果

つ目は、「地方での雇用創出効果」です。
地方創生の一環として有効な手段のつに、「工場や企業の誘致」があります。

たとえば

  • 工場などを誘致するための用地の設備
  • 企業に対する優遇措置の実施
  • ベンチャー企業の支援

などの施策が挙げられます。
優遇制度などによる企業誘致によって、地方での雇用創出効果が期待できるのです。

また、雇用が生まれれば、人が集まる流れを生み出すことにもつながります。

  • 近隣地域から通勤する人の増加
  • 地域人口における減少の抑え込み
  • 地元に愛着を持つ人のUターン就職

といった効果を見込むこともできます。

徳島県神山では「町おこし」の一環として、本社から離れた利便性の高いオフィスである、サテライトオフィスを設置しました。

古民家にインターネット環境を整備することで、サテライトオフィスを次々と開設し、起業家などの移住者が増加傾向にあります。

参考:働き方の変化(テレワーク)を活用した地方創生|総務省

(3)観光客の増加

つ目は、「観光客の増加」です。

  • 地域ブランドの創出
  • アニメの聖地巡礼(アニメの舞台となった地域にファンが訪れること)

などによって観光客が増えれば、観光業に加えて小売業や卸売業も活性化していきます。

たとえば、アニメやドラマのスポットに観光客が訪れることで、周辺の飲食店や宿泊施設の売上が伸び、物流を扱う運送業者にとっても利益が出ます。

事業者同士の結びつきが強まることで、新たなビジネスチャンスの誕生も期待できます。

3、地域おこし協力隊について

地域おこし協力隊とは、総務省が行う「地域力の創造・地方の再生」を掲げた取り組みのつです。

総務省の支援のもと、地方自治体が主体となり地方の活性化に取り組む制度です。
地域外の人材を積極的に受け入れて、定住や定着を図り、地域力の維持・強化を目指しています。

ここでは、地域おこし協力隊の

  • 参加条件
  • 活動内容
  • 新たな制度

について見ていきましょう。

(1)参加条件

地域おこし協力隊として参加するには、一定期間その地域に住むことが条件です。
年、その地域に定住して地域協力活動を行います。

当初は、参加自治体31名、協力隊員89名でした。
しかし2020年では、1000以上の自治体が参加し、約5500名の協力隊員という規模にまで拡大しました。

総務省では、隊員数の増加を目標にしています。
2019年末で任期を満了した協力隊員のアンケートによると、

  • 男性:約
  • 女性:約

となっています。

参加者の約割は、2030代となっており、若年層が中心となっているようです。
また定住状況の調査結果によると、約割の隊員が任期満了後に活動地に定住しています。

町おこし

画像出典:令和元年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果|総務省

町おこし

画像出典:令和元年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果|総務省

(2)活動内容

地域おこし協力隊の代表的な活動内容は、観光PRや特産品の販売です。
その他にも

  • 農林水産省への従事
  •  水源地の保全や監視、清掃活動
  •  不法投棄パトロール
  •  道路などの清掃
  •  住民見守りサービス
  • 通院や買い物などの移動サポート
  •  地域行事の支援
  •  地場産品の販売やPR

など、活動内容は多岐に渡ります。
地域によって求められる活動が異なるのです。

参考:地域町おこし協力隊|総務省 

(3)新たな制度

2019年から、移住条件なしの「おためし地域おためし協力隊」制度が創設されました。
日以上の地域協力活動を体験することで、受け入れ地域との相性を図ることが可能です。

また2021年から、活動や生活へのイメージをより把握してもらうために「地域おこし協力隊インターン」も創設されました。

隊員として活動する前に、週間~ヶ月の間、実際の地域おこし協力隊と同じような活動を行います。

地域おこし協力隊制度について更に詳しい情報が知りたい場合は、総務省HPをご覧ください。

参考:地域おこし協力隊インターンの概要|総務省

4、町おこしの具体的事例

最後に、町おこしに成功した具体的な事例について紹介します。

  • 長崎県五島列島小値賀町
  • 北海道東川町

それぞれの町おこしについて確認していきましょう。

(1)長崎県五島列島小値賀町

小値賀町は、17の島から構成される人口約2500人の町です。
2006年に観光業の中核機関として「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」を設立しました。

  • 小値賀町での民泊事業
  • 小値賀町の古民家を宿泊施設に利用した古民家事業

など観光業を活性化する事業が中心に行われ、大きな反響を呼びました。

島の生活体験を観光資源とした事例として、また、特別な観光資源がない地域でも取り組みやすい町おこし、としても注目を集めています。

参考:NPOおぢかアイランドツーリズム協会
参考:離島振興のヒントは五島・小値賀に在り|産経ニュース

(2)北海道東川町

北海道東川町では、子育て世代をターゲットとした町おこしに取り組んでいます。
2002年には、幼児保育一元化施設として「ももんがの家」を開園しました。

2014年には、

  • サッカー場
  • 果樹園
  • 体験農園

を併設した東川小学校を新設しました。
また、「グリーンヴィレッジ」と呼ばれる、約3500万円(土地代込み)で戸建ての建設が可能な分譲地を設けました。

これらの取り組みにより、町の新生児出生数よりも、東川町の小学校への入学者が増加しました。

外部から、多くの子育て世代を取り込むことに成功しているようです。

参考:移住・定住|東川町役場

まとめ

今回は町おこしについて解説しました。

 地元産業の衰退や高齢化の拡大によって、地方に活力を取り戻すことが求められています。

少子高齢化社会のなかで、明るい未来と発展のために、全国規模での町おこしが必要不可欠といえるかもしれません。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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