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政治ドットコムトピックス歴代韓国大統領の晩年不幸率は「90.9%」? 難を逃れたのはわずかに1人

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歴代韓国大統領の晩年不幸率は「90.9%」? 難を逃れたのはわずかに1人

投稿日2021.3.1
最終更新日2021.03.01

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2021年1月14日、韓国最高裁は朴槿恵(パク・クネ)前大統領に対して懲役20年と罰金の確定判決を下しました。
これまで韓国大統領の任についたのは全11人(現職の文在寅を除く)。そのうち、退任後も本人・親族に疑惑の目が向かなかった経験者はわずか1人だけです。歴代韓国大統領の晩年について見てみましょう。

韓国初の大統領も海外へ逃亡


李承晩 イ・スンマン(初代〜3代大統領 任期:1948年〜1960年)

1875年に生まれた李承晩は、20代から政治活動を行うも投獄。出獄後は渡米し、ジョージ・ワシントン大学などで政治学を修めます。
第二次世界大戦後、朝鮮半島に帰還すると、大韓独立促進国民会を結成し総裁として活動。1948年には韓国初代大統領に就任します。
以降、1960年に下野するまで3選を果たしますが、その任期中に政治犯など20万人以上を虐殺したと言われています。
外交面でも1952年にいわゆる「李承晩ライン」を一方的に主張。日韓の間に竹島の領有権を巡る紛争を引き起こしています。
1960年、大統領選挙の際の不正が発覚し大規模デモへと発展すると下野しハワイへ亡命。1965年に客死しています。

政治活動が批判を受け実刑


尹潽善 ユン・ボソン(4代大統領 任期:1960年〜1962年)

李承晩が失脚し、ハワイへの亡命を受け、1960年8月、第4代大統領に就任。
期待の船出となるも、翌1961年5月16日、後に第5〜9代大統領となる朴正熙(パク・チョンヒ)が率いる軍事クーデターが勃発(5.16事件)。
クーデター軍側からの要請もあり大統領の座に留まるも、1962年3月に朴正熙が「軍政から民政への移管を4年程度延期する」と発表した3.16声明に抗議し下野。その後は野党の政治家として活動を続け、たびたび大統領選に出馬するも連敗しています。
1978年に発表した民主救国宣言は、政府から「非合法活動」との厳しい批判を受け実刑判決を受けました。1990年に92歳で没。

長期独裁政権は暗殺で「幕」


朴正熙 パク・チョンヒ(5~9代大統領 任期:1963年〜1979年)

1961年の軍事クーデターで国家再建最高会議議長に就任すると軍政を指揮。尹潽善の下野を受けて、1963年から1979年まで第5〜9代大統領を務めました。
後に「漢江の奇跡」と呼ばれる韓国の高度経済成長を実現した大統領と評価される一方で、民主化運動を徹底的に弾圧する、大統領の任期や重任規定を撤廃し、終身大統領を目指すなど「独裁者」と批判されてもいます。
1979年10月26日、古い友人でもあった大韓民国中央情報部(KCIA)の部長、金載圭により暗殺されました。享年61。

難を逃れた唯一の韓国大統領経験者


崔圭夏 チェ・ギュハ(10代大統領 任期:1979年〜1980年)

1979年10月26日に朴正煕が暗殺されると大統領権限代行に就任。
有力政治家だった金鍾泌(キム・ジョンピル)に次期大統領を依頼するも固辞されたため、12月6日に大統領に就任し約8ヵ月間にわたって在任しています。
第11〜12代大統領を務めた全斗煥(チョン・ドファン)に、軍部と情報機関を掌握された結果、国会は無力化。
1980年5月には、全斗煥によるクーデターに抗議して民衆が蜂起。20万人以上が参加するデモへと発展し(光州事件)、支持を失った崔圭夏は下野しています。晩年は穏やかな人生を過ごし、2006年に87歳で亡くなりました。
2021年現在、本人・親族ともに暗殺や逮捕、投獄や自殺などの難を逃れた唯一の韓国大統領経験者です。

死刑判決を受けるも特赦


全斗煥 チョン・ドファン(11〜12代大統領 任期:1980年〜1988年)

1979年12月にクーデターを起こすと実権を掌握。市民が多数虐殺された光州事件を引き起こします。
野党の政治家はもちろん、失業者やホームレスなどの弱者や、犯罪者、政治運動家なども含めた4万人を逮捕すると苛酷な強制労働を課すなど、大統領就任前から独裁者的な振る舞いを見せています。
1980年の第11代大韓民国大統領就任後は、反政府活動の取り締まりを強化。密告やスパイを奨励させる「緑化事業」を推し進める、言論基本法の制定によってマスコミによる政権批判を封じるなど、その独裁は一層強まりました。
1988年、改憲・反政府運動の機運を受け政権移譲。大統領退任後も強い影響力を発揮しますが、本人・親族による不正蓄財が発覚。死刑判決を受けています(後に特赦)。

不正蓄財で無期懲役判決


盧泰愚 ノ・テウ(13代大統領 任期:1988年〜1993年)

1987年に16年ぶりに行われた民主的大統領選挙に立候補し当選。13代韓国大統領に就任します。
就任後、当時のソビエト連邦、中華人民共和国と国交を樹立する、前大統領である全斗煥の不正を徹底的に糾弾するなど精力的に活動を続け、1993年に退任。
ところが、1995年に自らの不正蓄財が暴かれ一審で無期懲役、控訴審では懲役15年、2628億ウォン(約250億円)の追徴金を言い渡されています。
大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)に、特赦の決定を下した大統領としても知られています。

次男が収賄で逮捕


金泳三 キム・ヨンサム(14代大統領 任期:1993年〜1998年)

1992年の大統領選挙に出馬し当選。これにより、朴正煕以来32年間続いていた軍事政権は終りを迎え、金泳三政権は文民政権と呼ばれました。
「任期中はいかなる献金も受け取らない」と宣言し、自身の質素さを国内にアピールするも、次男の金賢哲(キム・ヒョンチョル)には伝わらず、権威を振りかざし不正蓄財が発覚。大統領任期終了間際の1997年に斡旋収賄などの容疑で逮捕されています。

ノーベル平和賞受賞も息子の不正が発覚


金大中 キム・デジュン(15代大統領 任期:1998年〜2003年)

1998年に第15代大統領に就任すると経済改革に着手。サムスン電子や現代自動車を成長させる、韓国をIT先進国に発展させるなど手腕を発揮しました。
1998年には小渕恵三首相と日韓共同宣言を発表。それまで韓国国内で禁止されていた日本文化開放を推進する、2002年の日韓ワールドカップを共催するなど、日韓関係を好転させています。
北朝鮮に対しては「太陽政策」を志向。2000年6月には金正日との南北首脳会談を実現させ、ノーベル平和賞も受賞しました。
しかし、2007年の任期終了間際、3人の息子による不正蓄財が発覚。非難を浴びました。

退任後に自殺した唯一の韓国大統領


廬武鉉 ノ・ムヒョン(16代大統領 任期:2003年〜2008年)

第16代大統領に就任、高い国民の支持を背景にした船出となりましたが、2004年には野党から大統領の弾劾訴追を受け一時的に大統領職務を停止されるなど徐々に支持を失い、2006年時には「レームダック(死に体)」と呼ばれる事態に陥ってしまいます。
2008年の大統領退任後、側近・親族が不正献金疑惑で相次いで逮捕。
自身も捜査対象とされ、2009年には6億円を超える不正資金疑惑について事情聴取を受けています。
捜査を受けていた同年5月23日、自宅近くの崖から投身自殺。享年62。

収賄容疑で逮捕〜収監

李明博 イ・ミョンパク(17代大統領 任期:2008年〜2013年)

2007年に大統領選に出馬すると大差で勝利。第16代韓国大統領を2008年から2013年まで務め、任期満了で退任しました。
しかし、大統領退任後の2018年3月、在任中の収賄容疑で逮捕。懲役15年、罰金130億ウォン(日本円で約13億円)の有罪を言い渡されています。
李は控訴、上告しますが、2020年10月に懲役17年の有罪が確定し、収監されました。

初の女性大統領かつ初めて罷免された大統領


朴槿恵 パク・クネ(18代大統領 任期:2013年〜2017年)

第5〜9代韓国大統領を務めた朴正煕を父に持つ朴槿恵は、2012年の大統領選挙に勝利し、韓国初の女性大統領として、高い支持を集めました。
しかし、2016年10月に友人である崔順実(チェ・スンシル)の国政介入問題が発覚すると支持率は急落。11月には5%にまで下落しています。
12月9日に弾劾訴追案が可決され、大統領としての職務が停止されると、翌2017年3月には憲法裁判所による罷免が裁判官8人全員一致で宣告され、失職。韓国史上初めて罷免によって失職した大統領となりました。
罷免後は疑惑についての裁判が進められ、2021年1月14日に懲役20年、罰金180億ウォン(約17億円)などの判決が確定しています。

2021年1月現在、韓国の大統領を務める文在寅氏の任期は2022年5月まで。
果たして、退任後にどのような人生を送るのか、注目されます。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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