税金とは、国または地方公共団体に納めるお金です。消費税、住民税、酒税、たばこ税など、人々の生活に大きく関わっています。
本記事では以下についてわかりやすく解説します。
- 税金とは
- 税金の分類
- 具体的な税金の種類一覧
本記事がお役に立てば幸いです。
1、税金とは
税金とは、国または地方公共団体(地方自治体)に納めるお金です。
税金は、大きく国税と地方税の2種類に分けられます。
国が「国民」から集める税金が国税、地方公共団体が「住民」から集める税金が地方税です。
ここでは、
- 納税の義務
- 税金の意義
について解説します。
(1)納税の義務
「納税」とは、お金を税金として納めることです。
国民には「納税の義務」があります。
納税の義務は、日本国憲法第30条で定められています。
第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
条文引用元:日本国憲法 e-GOV
納税の義務は、勤労の義務・教育の義務とならぶ、国民の3大義務の1つです。
(2)税金の意義
国や地方公共団体は、公共施設などの運営に必要なお金を「税金」として、国民(住民)から徴収します。
公共施設や公共サービスには、
- 道路の整備
- 警察の運営
- 学校や病院の運営
など、生活に欠かせないものが含まれています。
一人一人が税金を支払うことで、安全で清潔な街が維持されています。
もし税金という制度がなければ、警察が有料になったり、ゴミ処理サービスがなかったりと、さまざまな問題が発生する可能性があるのです。
2、税金の分類
税金は
- どこに納めるのか
- 誰が納めるのか
- 何に対して納めるのか
によって、分類できます。
(1)どこに納めるのか
税金の納め先は、大きく
- 国に納める「国税」
- 地方公共団体(地方自治体)に納める「地方税」
の2種類に分類されます。
さらに地方税は「道府県税」と「市町村税」に分けられます。
※東京23区は法律面から都民税、特別区民税(東京23区)と呼ばれる
※東京23区以外は都民税+市町村税となる
参考:特別区民税・都民税とは何ですか。中央区
(2)誰が納めるのか
税金は誰が納めるかによって、
- 直接税
- 間接税
に分けられます。
直接税とは、税金を納める人と税金を負担する人が、同じ税金のことです。
住民税や自動車税は、直接税になります。
間接税とは、税金を納める人と税金を負担する人が、違う税金のことです。
消費税やたばこ税は、間接税になります。
(3)何に対して納めるのか
税金は何に対して課税するのかによって、より具体的に区別されます。
- 個人や会社の所得に対する課税→所得課税
- 消費税やたばこ税など、物の消費やサービスの提供に対する課税→消費課税
- 相続税や固定資産税など、資産に対する課税→資産課税等
参考: 【豆知識2】税金の分類方法 税の種類と分類 税の学習コーナー 国税庁
3、具体的な税金の種類一覧
ここでは、主な税金である
- 消費税・地方消費税
- 所得税
- 住民税(道府県民税・市町村民税)
- 法人税
- 酒税
- たばこ税・たばこ特別税
- 関税
- 自動車にかかる税金
についてご紹介します。
(1)消費税・地方消費税
消費税とは、商品の販売やサービスの提供にかかる税金です。
具体的には、野菜や映画のチケットを買う時などに、消費税がかかります。
地方消費税とは、消費税のうち、地方公共団体に分配される消費税を指します。
2023年時点で、消費税・地方消費税は以下の通りです。以下の税率は2019年10月1日から運用しています。
軽減税率(※1) | 標準税率(※2) | |
消費税率 | 6.24% | 7.8% |
地方消費税率 | 1.76% | 2.2% |
合計 | 8% | 10% |
(※1)軽減税率…酒類・外食を除く飲食料品、 週2回以上発行される新聞が対象
(※2)標準税率…軽減税率の対象以外
(2)所得税
所得税とは、個人の所得にかかる税金です。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた、お金を指します。
所得から控除等を引き、最終的に税金がかかる所得は「課税所得」と呼ばれます。
(3)住民税(都道府県民税・市町村民税)
住民税とは、住んでいる都道府県と市町村に納める税金です。
2007年の税制改正(個人住民税所得割の税率改正)をきっかけに、住民税は一律10%の割合で徴収されるようになりました。
上記の税制改革により、10%の住民税のうち、都道府県民税と市町村民税の割合は、
- 指定都市の場合:都道府県民税2%、市町村税8%、
- 指定都市ではない場合:都道府県民税4%、市町村税6%
になります。
参考:Q1 個人住民税とはどのような税ですか。個人住民税 東京都主税局
住民税税制改正のお知らせ(平成30年度実施分) 横浜市
(4)法人税
法人税とは、法人(会社)の所得にかかる税金です。
法人は、会計期間内の所得を計算します。
そして、会計期間の最後の月である、決算期に確定申告を行います。
一般的な会社では、会計期間を自由に決められます。
個人事業者の会計期間は、1月1日~12月31日です。
(5)酒税
酒税とは、酒にかかる税金です。
消費者が負担し、製造者または輸入者が納税します。
酒は大きく以下4種類に分類されます。
- 発泡性酒類(ビール、発泡酒など)
- 醸造酒類(清酒、果実酒など)
- 蒸留酒類(ウイスキー、ブランデーなど)
- 混成酒類(みりん、リキュールなど)
種類ごとに、税率が異なります。
また2020年以降、酒類間の税負担の公平にするため酒税改正が実施されています。
引用:財務省
(6)たばこ税・たばこ特別税
たばこ税とは、たばこにかかる税金です。
たばこ税は、消費者が負担し、製造者または輸入者が納税します。
たばこ税には、
- 国たばこ税
- 地方たばこ税(道府県たばこ税・市町村たばこ税)
- たばこ特別税
が含まれています。
たばこ特別税とは、「一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律」に基づき、1998年12月から導入された、たばこ税です。
参考:一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律 e-GOV
また、2018年以降たばこ税の引き上げが続いています。
引用:財務省
(7)関税
関税とは、輸入品にかかる税金です。
関税は、輸入者が納税します。
旅行者が、外国の品物(酒類・たばこ・香水など)を国内に持ち込む場合、関税がかかることがあります。
ただ、税関のホームページに記載されている「海外旅行者の免税範囲内」であれば関税はかかりません。
(8)自動車にかかる税金
自動車にかかる税金には、
- 揮発油税
- 自動車税
- 自動車重量税
があります。
①揮発油税
揮発油税とは、ガソリンにかかる税金です。
揮発油とは、温度 15℃で比重が 0.8017を超えない、炭化水素油を指します。
揮発油税には
- 揮発油税
- 地方揮発油税
が含まれています。
その他
- 石油石炭税
- 消費税
- 地球温暖化対策のための税
もガソリンにかかる税金です。
そのため、ガソリン料金は、本体価格に加えて、
「消費税+揮発油税+地方揮発油税+石油石炭税+地球温暖化対策のための税」で計算されるのです。
②自動車税
自動車税とは、車にかかる税金です。
自動車税は「排気量」によって税率が決まります。
軽自動車・バイクには、軽自動車税がかかります。
③自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の重さにかかる税金です。
車の購入時と車検時に支払います。
以前の自動車重量税収は、道路整備の費用に充てられていました。
その後「道路整備事業財政特別措置法」の改正によって、自動車重量税の税収は、一般財源化されています。
つまり、自動車重量税の税収の使い道は、道路整備に限定されなくなったのです。
参考:道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案について 国土交通省
まとめ
今回は税金について解説しました。税金は大きく国税と地方税の2種類に分けられます。
また、何に課税するかで、さらに細かく分けられています。
適切な納税をしないと、ペナルティーを受けることもあるので、税金についての正しい理解を持っておきましょう。