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広島AIプロセスとは？生成AIやG7サミットなど簡単解説

投稿日2024.3.6
最終更新日2024.03.06

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AI（人工知能）の進化は目覚ましく、その影響は社会のあらゆる面に及んでいます。

その中でも、「生成AI」と呼ばれる新たなAIの形態が注目を集めています。「生成AI」とは、クリエイティブな成果物を生み出すことができるAIで、Chat-GPTやBardが例として挙げられます。

しかし、将来の可能性が広がるとともに、さまざまな問題も浮上してきました。

これらの問題に対処するため、G7サミットでは「広島AIプロセス」が提唱されました。

本記事では、下記項目について解説します。

広島AIプロセスの背景と目的
生成AIとは何か
生成AIの影響と懸念について
広島AIプロセスの展望と影響

１.広島AIプロセスの背景と目的

画像出典：外務省

広島AIプロセスとは、AI（人工知能）ルール作りの議論を加速するための国際的な取り組みです。

これは、生成AIの世界的な普及と、欧州連合（EU）が協議を進める「AIを包括的に規制する法案」という2つの存在により、一時停滞していたAIルール作りの議論が急展開した結果生まれました。

広島AIプロセスは、G7（主要7カ国）のデジタル・技術相会合での閣僚宣言をもとに、日本政府が提案し、G7広島サミットで採択されました。そして、生成AIに関するG7の見解を年内に取りまとめることを目標に、各国の実務者レベルでの協議を開始しました。

広島AIプロセスの目的は、生成AIのガバナンスについて各国の共通要素を明らかにすることです。また、各国間の異なる点やその理由、対応方策を明確にすることも目的としています。

このように、広島AIプロセスは、生成AIのルール作りにおける国際的な議論を促進し、各国間の共通理解を深めるための重要な取り組みとなります。その背景と目的を理解することは、現代のAI技術とその社会的影響を理解するための重要な一歩となります。

参考：外務省

（１）G7サミットとは？

G7サミットとは、世界の主要7カ国（アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本）の首脳が集まり、世界経済や国際政治の課題について議論を行う会議のことを指します。

これらの国々は、世界経済の大部分を占めており、その意見は世界の方向性を左右する重要なものです。

各国の特徴について、下記にまとめます。

国名	特徴
アメリカ	世界最大の経済大国
イギリス	金融の中心地として知られる
フランス	EUの主要なメンバー国の一つ
ドイツ	EU最大の経済大国
イタリア	G7の中で唯一の地中海沿岸国
カナダ	北米の主要な経済大国の一つ
日本	アジア唯一のG7メンバー国

G7サミットは、1年に1度、世界の主要7カ国の首脳が集まる重要な会議です。

開催国は、毎年ローテーションで変わります。開催国がサミットの議題を設定し、会議の進行を担当するという役割を引き受けることになります。

開催国は、その年の世界情勢を踏まえて、サミットの議題を設定します。

具体的には、下記項目のように世界が直面する幅広いテーマについて議論します。

経済
環境
安全保障

G7サミットを通じて各国の方向性を確認しあい、国際社会の課題解決に向けた議論を深めています。

G7について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

G７とは？G８、G２０との違い・広島サミットの概要を簡単解説

G７とは、「アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ」の７か国からなる、先進国首脳会議のことです。よく似た言葉にG８やG２０があり、違いも含めてよくわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。また２０２３年５月には広島サミットが開催され、注目を集めています。そこで今回はG７について、以下のとおりご紹介します。 G７の概要 G８、G２０...

（２）G7広島サミット

G7広島サミットは、広島で開催されたG7サミットです。

2023年の広島サミットでは、下記内容について議論されました。

デジタル
ウクライナ問題
軍縮・不拡散
インド太平洋
世界経済・金融・持続可能な開発
気候
環境
エネルギー
クリーン・エネルギー
経済的強靭性・経済安全保障
貿易
食料安全保障
保健
労働
教育
科学技術
ジェンダー
人権、難民、移住及び民主主義
テロ、組織犯罪、腐敗等
地域情勢

上記の中で注目されていたのは、デジタル分野に属する生成AIに関する議論です。

新たなAIの形態である「生成AI」が注目を浴び、その可能性とリスクについての議論が注目されました。

（３）G7広島首脳コミュニケ

コミュニケは、各国の首脳が合意した内容をまとめたもので、その年のG7サミットでの議論の結果を反映しています。これは、国際的な課題に対するG7の共通の立場や取り組みを示す重要な文書となっています。

G7広島首脳コミュニケには、G7広島サミットでの議論結果が記載されています。

具体的には、生成AIのガバナンスに関する取り組みや、各国のAI政策の方向性、そして国際的な協力の重要性などが強調されています。国際社会がAIの進化に適応し、その利点を最大限に活用しつつ、リスクを最小限に抑えるための指針となっています。

２.生成AIとは？

生成AIとは、AIが新たなアイデアやコンテンツを生み出す技術です。

これは、AIが自ら答えを探して学習する「ディープラーニング（深層学習）」を用いて構築された機械学習モデルであり、AIの中では比較的新しく生まれたモデルです。その成果物は楽曲、画像、動画、プログラムのコード、文章など多岐にわたります。

従来のAIと比較すると、下記のような違いがあります。

	生成AI	従来のAI（識別系AI）
主な機能	新しいコンテンツ生成	入力されたデータが正解か不正解かを識別
例	画像生成AI「Stable Diffusion」、テキスト生成AI「ChatGPT」など	文字認識、OCR、AIカメラ

生成AIは、定型業務の効率化やクリエイティブな提案の補助、コンテンツのゼロコスト作成などを実現できます。

ビジネスに活かすことで売上向上やコスト削減などの課題解決につながるだけでなく、新商品企画のアイデア創出や、新たな製品開発などにも活用することができます。

３.生成AIの影響と懸念について議論

生成AIは、適切に活用することで様々な恩恵をもたらします。

例えば、画像生成AIを使用すると、ユーザーが提供するテキスト情報を元に新しい画像を作りだしてくれます。テキストの詳細化や生成された画像の微調整をすることで、ビジネスの場面で自分が使いたい画像を短時間で作り出すことができます。

また、チャット生成AIは、ユーザーからの質問やコメントに対して適切な回答を作り出してくれます。チャット生成AIに内容を深掘りするような質問を繰り返すことで、精度の高い回答を得ることができます。ただし、このAIが提供する回答は学習データに基づくもので、必ずしも正確であるとは限らないため、ユーザー自身でその真偽を判断する必要があります。

生成AIは便利な半面、懸念点も多く存在しています。

具体的な懸念点は以下の通りです。

懸念点	具体的な内容
学習データの権利問題	学習に他人の画像や文章を勝手に収集して利用することができるか
生成物の著作権問題	生成系AIを利用して自動生成した生成物に著作権は発生するか、発生するならば誰の権利になるか

これらの問題については、各国で異なる解釈があり、また、具体的な事例によっても判断が分かれる可能性があります。